スウェーデンの郡立病院におけるメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の分子疫学:病院内および病院間のクローン伝播のエビデンス
Molecular epidemiology of meticillin-resistant coagulase-negative staphylococci in a Swedish county hospital: evidence of intra- and interhospital clonal spread
M. Widerstrom*, T. Monsen, C. Karlsson, J. Wistrom
*Ostersund Hospital, Sweden
Journal of Hospital Infection (2006) 64, 177-183
2003年の10カ月間に、スウェーデンの郡立病院の異なる病棟の15部門で治療を受けた患者に由来するルーチンの連続臨床培養で、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌のスクリーニングを行った。分離菌株間の遺伝的相同性をパルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)で分析した。この結果を、第三次紹介病院で過去に分離された多剤耐性表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)と比較した。合計428のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の分離菌株を特定し、そのうち188株(44%)がメチシリン耐性であった。S. epidermidisの3つのクラスター(グループA、B、およびC)はそれぞれ10を超える分離菌株からなり、PFGEによるDNA相同性は90%を超えていた。グループA(15株)とB(13株)の菌株はおおむねゲンタマイシン、ST合剤、およびクリンダマイシンに耐性があり、24例の患者に由来し、そのうちの21例は検体採取前に集中治療室(ICU)で治療を受けていた。3番目のクラスターであるグループCは、患者14例に由来する14の分離菌株からなっていた。これらの患者のうちICUに入室したのは2例だけであり、いずれも1日未満であった。グループCの分離菌株は、グループAとBの分離菌株よりも耐性が低かった。グループAに属する分離菌株は、紹介病院で患者から分離した多剤耐性S. epidermidisとPFGEプロフィールが同じであった。本研究は、郡立病院内の特にICUでメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌クローンが存続および拡散していること、および多剤耐性クローンが郡立病院と紹介病院との間で拡散した可能性を示している。
サマリー 原文(英語)はこちら
同カテゴリの記事
Evaluation of an ‘all-in-one’ seven-day whole-genome sequencing solution in the investigation of a Staphylococcus aureus outbreak in a neonatal intensive care unit
In vivo comparative efficacy of three surgical hand preparation agents in reducing bacterial count
Topical antimicrobial protection of postoperative surgical sites at risk of infection with Propionibacterium acnes: an in-vitro study
P.G. Bowler*, S. Welsby, A. Hogarth, V. Towers
*ConvaTec Global Development Centre, UK
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 232-237
Multidrug-resistant bacteria in travellers hospitalized abroad: prevalence, characteristics, and influence on clinical outcome
Norovirus in the hospital setting: virus introduction and spread within the hospital environment
