歯科診療所の細菌性エアロゾル-院内感染にとって問題となるのか?★

2006.09.30

Bacterial aerosols in dental practice 窶・a potential hospital infection problem?


R. Rautemaa*, A. Nordberg, K. Wuolijoki-Saaristo, J.H. Meurman
*Helsinki University Central Hospital, Finland
Journal of Hospital Infection (2006) 64, 76-81
修復歯科で最新式の高速切削器具を使用すると、患者の口腔から微生物を含むエアロゾルが産生される。口腔外科におけるこれらのエアロゾルの拡散距離や、エアロゾルが引き起こす汚染の程度について、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の鼻口腔保菌患者の増加に伴い、懸念が拡大している。本研究の目的は、歯科治療中に空中浮遊細菌がどこまで拡散するのか、およびその汚染の程度を明らかにすることである。患者から0.5~2メートルの距離の異なる6区画に設置した血液寒天プレートで、降下した試料を収集した。修復歯科の降下試料(72サンプル)を高速切削器具が使用される部屋(6カ所)で、対照試料(24サンプル)を切削器具や超音波器具を使用しない歯周治療および歯列矯正治療用の部屋(4カ所)で収集した。収集時間は1.5時間および3時間とした。さらに、職員のフェースマスクおよび消毒前後の各部屋の表面からも試料を採取した。37℃、48時間培養後、グラム染色によりコロニーを計数し、分類を行った。その結果、高速器具を使用した部屋では、試料を収集したすべての距離で重大な汚染(平均970コロニー形成単位/m2/時間)が認められた。より遠い試料収集地点でも細菌密度は高いことがわかった。グラム陽性球菌、すなわち緑色レンサ球菌群およびブドウ球菌の頻度が最も多かった。歯科処置中に汚染される区域は事前の予測よりもはるかに広く、ほとんど部屋全体に及んでいた。これらの結果は、歯科における微生物エアロゾルの防止法、および作業台上に一時的に乗せるすべての器具の保護方法を、新たに開発する必要性を強調するものである。このことは、病院環境内の口腔外科において、一般状態の悪い患者または免疫不全患者を治療する場合に特に重要である。
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監訳者コメント:
環境の汚染と医療関連感染の成立の因果関係にはさらに検討が必要であるが、歯科高速切削器具による細菌の飛散がかなりの広がりを見せることが確認された点で注目される。

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