カリシウイルスで人為的に汚染させた布地とカーペットの消毒:医療施設での妥当性
Disinfection of fabrics and carpets artificially contaminated with calicivirus: relevance in institutional and healthcare centres
Y.S. Malik*, P.B. Allwood, C.W. Hedberg, S.M. Goyal
*University of Minnesota, USA
Journal of Hospital Infection (2006) 63, 205-210
布地とカーペットは医療施設で被覆や敷布として広く用いられており、ノロウイルスなどの感染病原体の汚染を受けやすい。これらの日常的なクリーニングには洗濯、水洗、および掃除機による吸引が適切であるとされているが、汚染時の標準的な消毒法はない。ノロウイルスはin vitroで培養できないので、ノロウイルスに対する消毒薬の有効性を試験することは難しい。そのため、消毒薬の有効性試験ではネコカリシウイルス(FCV)がノロウイルスの代替モデルとして認められている。本研究では、様々な布地やカーペットでFCVに対する5種類の消毒薬を評価した。FCVを布地またはカーペット上で乾燥させた後、所定の接触時間として1、5、または10分間、消毒薬で処理した。次にウイルス不活化測定のため、生存ウイルスを溶出し、Crandell-Reeseネコ腎細胞でウイルス力価を測定した。加えたウイルスの99%以上を不活性化した場合に、消毒薬は有効であるとした。活性化ジアルデヒドによる消毒薬である“Metricide”は、1~10分間で99.99%を超えるウイルスを不活性化し、あらゆるタイプの布地およびカーペットに対して最も有効な消毒薬であることが明らかになった。全般的に、消毒薬の有効性は曝露時間が1分間から10分間に増えるに従って増大した。カーペットの消毒は布地の消毒よりも困難であった。100%ポリエステルは最も消毒が難しかった。“Metricide”と“Microbac-II(フェノール化合物)”のみが、100%ポリエステルでFCVの99%を不活性化することができた。まとめとして、活性化ジアルデヒドは試験したあらゆるタイプの生地で、FCVに対して一様に有効性が高いことが示された。
サマリー 原文(英語)はこちら
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