携帯用HEPAフィルター装置によるMRSA環境汚染の低減

2006.05.31

Reduction in MRSA environmental contamination with a portable HEPA-filtration unit


T.C. Boswell*, P.C. Fox
*Nottingham City Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2006) 63, 47-54
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やその他の院内感染病原体による交差感染の潜在的に重要な因子として、病院環境が新たな関心を集めている。本研究の目的は、臨床現場でのMRSAによる環境表面汚染の低減に関する、携帯用HEPAフィルター装置(IQAir Cleanroom H13、Incen AG、Goldach、スイス)の有効性を検討することである。水平表面のMRSA汚染率を、高度のMRSA飛散者であった患者3例の両側の病室に設置した寒天静置培地を用いて評価した。数種類の空気濾過率(60~235 m3/時間)で汚染率を測定し、ポアソン回帰を用いてエアフィルターのない状態と比較した。エアフィルターを用いない場合、静置培地の80~100%がMRSA陽性であり、培地を10時間曝露した場合のMRSAコロニー形成単位(cfu)の平均値は4.1~27.7であった。空気濾過を140 m3/時間(患者1例)および235 m3/時間(患者2例)の濾過率で行った結果、エアフィルターを用いない場合と比較して汚染率に有意で大幅な減少が認められた(補正率比はそれぞれ0.037、0.099、0.248;いずれもP<0.001)。空気濾過率と培地を10時間曝露した場合のMRSAのcfuの平均値との間には強い関連があることが証明された(傾向検定のP<0.001)。結論として、携帯用HEPAフィルター装置によって、患者の隔離室内でMRSAの環境汚染が有意に減少する可能性があり、既存のMRSA感染制御対策に追加すれば有用であると考えられる。
サマリー 原文(英語)はこちら

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