リハビリテーション病棟における脊髄損傷患者の尿路感染による高率の院内感染罹患率

2006.04.30

High prevalence of nosocomial infections in rehabilitation units accounted for by urinary tract infections in patients with spinal cord injury


R. Girard*, M.A. Mazoyer, M.M. Plauchu, G. Rode
*Hospices Civils de Lyon, France
Jounal of Hospital Infection (2006) 62, 473-479
本研究(2001年にフランスで実施された全国規模の罹患率サーベイランスの一部)は、リハビリテーション病棟入院患者における院内感染の罹患率と危険因子(リスクファクター)、および耐性菌叢の調査を目的として計画した。Hospices Civils de Lyonグループの2カ所の病院286例の患者を対象とした。患者は脊髄損傷の有無により分類した。78例(27.3%)に脊髄損傷があった。これらの患者は若齢で、日常生活動作スコアが低い場合が多く、尿失禁と慢性呼吸器疾患が多かった。導尿カテーテルおよび人工呼吸器の利用頻度が、これらの患者では高かった。院内感染罹患率は脊髄損傷群で高く(21.8%対4.3%、P<0.00001)、特に尿路感染で顕著であった(19.2%対3.4%、P<0.00001)。危険因子の数と院内感染罹患とは正の関係があった。多変量解析では、院内感染罹患の唯一の独立した危険因子は導尿カテーテルの留置であった[オッズ比(OR)11.64、95%信頼区間(CI)2.53~53.65、P=0.002]。慢性腎疾患または慢性肝疾患(OR 5.84、95%CI 0.80~42.68、P=0.082)と脊髄損傷(OR 2.97、95%CI 0.61~14.60、P=0.179)は、有意性の周縁域の因子であった。抗生物質耐性菌の罹患率は高かったが(感染部位31に対して耐性菌9例)、患者群による相違はなかった。脊髄損傷患者における高率の院内感染、特に尿路感染は、脊髄損傷の独立した影響によるものではなく、危険因子が多いことに起因する可能性が高い。これらの高リスク患者へは、院内感染の集中的なサーベイランスが必要である。
サマリー 原文(英語)はこちら

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